社名「FULCRUM(支点)」に込めた、てこの原理の経営観

社名FULCRUMに込めた経営観 当社の考え方

「なぜ会社名がFULCRUMなのですか?」── ときどきお客様から聞かれる質問です。FULCRUMとは「てこの支点」を意味する英語です。中小企業の経営にとって、私たちが「支点」をどう捉えているのか ── 社名の背景にある考え方を、少しお話しさせてください。

FULCRUM(フルクラム)とは何を意味するのか

FULCRUM(フルクラム)は、英語で「てこの支点」を意味します。古代ギリシャの数学者アルキメデスは、てこの原理についてこう言ったと伝えられています。

「我に支点を与えよ。さらば地球をも動かさん」

たった一本の棒と、適切な位置に置かれた支点があれば、人間ひとりの力で地球も動かせる ── そんな比喩です。

地球が動くかどうかはさておき、私たちが大切にしたいのは、「支点さえあれば、小さな力でも大きな成果が生まれる」という発想のほうです。

中小企業の経営も、これとよく似ています。大企業のように大量の人員・資金・データを投入できなくても、適切な支点さえ見つかれば、限られた力でも十分に動かせる ── 私たちはそう信じています。

経営における「力点・支点・作用点」とは

てこの原理には、3つの要素があります。力を加える「力点」、てこを支える「支点」、力が伝わって動く「作用点」です。

これを経営に当てはめてみると、こんな構造になります。経営者の情熱・社員・商品・資金が「力点」。売上・顧客の満足・組織の成長という目指す成果が「作用点」。そしてその2つをつなぐ、戦略・仕組み・人の配置・判断の順序が「支点」です。

ここで大切なのは、力点(=会社の力)がいくら強くても、支点が見当違いの場所に置かれていると、作用点に力が届かない、ということです。

「うちは商品もいい、社員もよく頑張っている、それなのに売上が伸びない」── 多くの中小企業が抱えるこの感覚は、実は支点の置き場所がずれているサインなのかもしれません。

なぜ経営の「支点」は外から見えにくいのか

経営の支点は、外から見るとなかなか見えにくい場所にあります。理由は3つあります。

ひとつ目は、業界の正解集には載っていないこと。本屋に並ぶ経営書も、ネット上の事例集も、汎用的な「戦略」までは書いてあります。しかし、その戦略を「自社のこの社員と、この商品と、この予算でどう動かすか」という個別解は、どこにも載っていません。

ふたつ目は、一社ごとに違うこと。同じ業界・同じ規模の会社でも、経営者の想いや、社員の構成、地域との関係によって、置くべき支点はまったく違います。よその成功例は、参考にはなっても、答えにはなりません。

みっつ目は、経営者の言葉と現場の言葉が交わる場所にしかないこと。経営者は「成長したい」と言い、現場は「もっと楽になりたい」と言います。両者の言葉が交わる一点にこそ、支点があります。ですが、その交点は、両方の言葉を聞ける位置にいないと、見えません。

外注のコンサルが「他人ごと」になりがちなのは、この交点に立てていないからなのではないかと、私たちは感じています。

支点を一緒に探す、という仕事

私たちFULCRUMが目指しているのは、答えを差し出すことではありません。お客様と並走しながら、貴社にとっての支点を一緒に探し当てる ── これが、社名に込めた約束です。

これまで1,100社以上の経営者の方と個別相談を重ねてきました。一度ですべてが見える会社など、ほとんどありません。多くの場合、何度かお話を伺ううちに、「ああ、ここだ」という瞬間が訪れます。

その瞬間は、たいてい経営者ご自身が口にした言葉のなかにあります。私たちの役割は、そばで聞きながら、その言葉のなかで光った一点を「これ、支点じゃないですか?」と返すこと。

答えを渡すのではなく、支点を一緒に見つける。

専門知識を披露することでも、業界事例を並べることでもありません。隣に座って、一緒に考え、一緒にうなずく ── そういう仕事を、ずっと続けたいと思っています。

小さな支点が、3年後の景色を変える

支点が見つかると、何が変わるのか。ひとことで言えば、その後の経営判断が、すべて軽くなります。

「ECに投資すべきか」「人を採るべきか」「商品を増やすべきか」── これらの問いは、支点が定まっていない時には、それぞれが独立した重い決断に感じられます。判断するたびに、エネルギーを大きく消耗します。

しかし、支点が一本通ると、それぞれの問いは「支点を強めるか、ずらすか」という同じものさしで測れるようになります。判断軸が共通化されると、意思決定のスピードも、社内での説明のしやすさも、まったく変わってきます。

これが、3年後・5年後の景色の差として現れます。支点が定まった会社は、迷いの少ない経営ができます。だから、同じ規模・同じ業種でも、数年後に大きな差がついていることがあります。

私たちが「3年・5年と並走したい」と申し上げるのは、支点の効果が複利で効いてくるのが、ちょうどそのくらいの時間軸だからです。

最後に、いま自社の支点を探している経営者の方へ

経営に「正解」を探そうとすると、いつまでも答えは見つかりません。正解は、最初から外にはなかったからです。

ただ、貴社のなかには、必ず「支点になる一点」があります。それは、これまでの歴史の中で築いてきた強み、社員と分かち合ってきた価値観、お客様との関係性 ── そのどこかに必ず潜んでいます。

私たちFULCRUMができるのは、それを一緒に探すお手伝いだけです。答えは、私たちが持っているのではなく、貴社のなかにあります。

もしこの記事を読んで、「うちの支点はどこだろう」と考え始めていただけたら、それだけでも嬉しく思います。そこから先のお話が必要になったとき、私たちはいつでも、隣の席を空けてお待ちしています。

川﨑 力也
川﨑 力也
合同会社FULCRUM 代表社員CEO / Webコンサルタント・Webディレクター

Webサイト制作900件以上・個別相談1,100社以上・セミナー登壇34回の現場経験をもとに、中小企業・地域のWeb・EC・集客から、商品開発・ブランディング、DX・AI・補助金・脱炭素(GX)まで“ひとつの窓口”で支援。戦略から実装・運用・改善まで伴走します。

商工会連合会 登録専門家認定 地域DXプロデューサー ★★★脱炭素アドバイザー アドバンスト
無料相談はこちら